2010年08月27日

私の好きな映画ベスト10

私の好きな映画ベスト10(表)

1位 アラビアのロレンス
2位 チョコレート
3位 ディア・ハンター
4位 戦場のメリークリスマス
5位 道
6位 ライアンの娘
7位 ペレ
8位 ホテル・ニューハンプシャー
9位 ランブルフイッシュ
10位 太陽がいっぱい
10位 リプリー

好きな映画ベスト10(裏)

1位 マイ・ビューティフル・ランドレッド
2位 眺めの良い部屋
3位 ピアノ・レッスン
4位 リトル・ダンサー
5位 人生は長く静かな河
6位 サンドイッチの年
7位 セントラル・ステーション
8位 蝶の舌
9位 アナザー・カントリー
10位 モーリス
10位 ベティ・ブルー

好きな俳優ベスト10

1位 クリストファー・ウォーケン
2位 ダニエル・デイ・ルイス
3位 ピーター・オトゥール
4位 マット・ディロン
5位 ルパート・エヴェレット
6位 ジェレミー・アイアンズ
7位 ジェラール・フィリップ
8位 マルチェロ・マストロヤンニ
9位 アンソニー・クイン
10位 ミッキー・ローク
10位 笠智衆

好きな女優ベスト5

1位 メリル・ストリープ
2位 グレン・クローズ
3位 ヘレナ・ボナム・カーター
4位 ジュディ・デンチ
5位 ホリー・ハンター

解説については後日。
選にもれた作品もたくさんある。
女優に関しては10人も挙げるほど思い入れのある人はいない。
この作品の時のあの人は良かったけど、
他の作品でも好きかというとそうでもない…など。

私の好きな映画ベスト10(表)の解説

まず1位の「アラビアのロレンス」
映画として必要な要素が全て揃っている名作。

ただし、女性が葬儀の場面にしか出てこない!ので、ロマンスという面ではどうか。
ロマンスというかある映画解説者が
「ピーター・オトゥールが主演男優であり、主演女優でもある」と言っておられた。
まさしく出演する全ての俳優がロレンス1人を巡って大騒ぎ、
男騒ぎ(この形容は戦場のメリークリスマスで誰かが言っていた)の映画である。

特にすごいのがオマー・シャリフ(同じくデヴイッド・リーン監督の「ドクトル・ジバゴ」に主演)。
「貴方をエル・オレンスと呼んでいいか」
自分だけがロレンスをそう呼んでいいのよ、的な?
あらあら。

ボーイズ・ラブ?
若い腐女子の皆さん、私はもっと前からモーホーの映画ばかり!?見ていたのですよ〜
それも英国映画ばかり。

2位の「チョコレート」。

タイトルの意味するのは3通り。
ヒロインたちの肌の色。
ヒロインの息子が好きなチョコレート。
チョコレートアイスクリームの効果的な使い方
及び人生の甘さと苦さを暗示した意味…
これが一番表現が難しいが、誰かもっと巧い表現あったら教えてください。

主人公の2人を始め、達者な役者が揃っている。
特に凄かったのがビリー・ボブ・ソーントンの父親役の老俳優。
表情や話し方が、保守的で有色人種特に黒人を嫌ってる白人男性を巧すぎるくらいに演じていた。
アメリカのことである。
役柄と混同して抗議などが彼の元に押し寄せていないか、心配になるくらいだ。
それくらいの怪演であった。

3位の「ディア・ハンター」

これもある意味男騒ぎ。
「太陽がいっぱい」のように、一見2人の男性が1人の女性と三角関係のようでいて、
実は男性2人の結びつきが強い?
ウォーケンとデ・ニーロ、メリル・ストリープの3人のことだが。

4位の 戦場のメリークリスマス

大島渚監督の作品の中では一番好きというか、分かり易い?作品。
デヴィッド・ボウイを始め、俳優たちが達者。
ある意味悪目立ちの坂本龍一も含めて。
ビートたけしが演技者としても初めて認められた作品でもある。

教授はラッシュ映像を見せられた時、
これに音楽を付けてどうにか見られる作品にするには大変だ、と思ったそうだ。
音楽が映像を超えた作品とも言われた。

良く言われるのがヨノイが三島(特に欧州で)のようだ、とか
セリアズがアラビアのロレンスのようだとか。
通訳の将校の名前もロレンスであった。


5位の「道」。

フェデリコ・フェリーニ監督の名作である。

彼の作品の中では比較的分かり易い。
主演のアンソニー・クインを数年前、CNN「ラリー・キング・ライブ」で見た。
彼が亡くなった時の追悼番組だったのかもしれない。

「ゾルバ・ザ・グリーク」や「アラビアのロレンス」での役柄といい、アメリカ人の中で無国籍感覚というのか様々な役を演じられる俳優は今はもう、居ない。
この作品では悪役ではあるが、圧倒的な存在感。
無教養で肉体だけが取り柄の大道芸人・ザンパノ。
かつて無慈悲にも棄てたちょいとオツムの弱いジェルソミーナ。

その彼が年老いて、彼女を置いていった場所を訪ねた時。

そしてラストシーン。「モロッコ」、「第三の男」、「灰とダイヤモンド」などなど、数々の名作にも比肩するラストシーン。

この作品を日本の漫画家がパロディにしているのを青年誌で見た。
ザンパノが犬でジェルソミーナが猫。
ラストは大きく変わっていて、ジェルソミーナ猫は幸福に暮らしていた。
「バカヤロー、よりによって猫の話にしやがって!」と泣きながら立ち読みしていた私こそ、大馬鹿者である。

6位の「ライアンの娘」。

デヴィッド・リーン監督作品。

主演のサラ・マイルズは三島原作の「午後の曳航」にも主演していた。
ロバート・ミッチャムら俳優陣は熱演だが、助演男優賞を確かジョン・ミルズが受賞。
口がきけない、知能も弱い男性を演じていた。
この男性を物語の重要な場面で巧く演出していた。
映画ファースト・シーンとラスト・シーン。
そして人妻と英国人将校の不倫が発覚する場面。
アイルランドとイングランドの関係の複雑さをこの映画で少し知ることになった。
英国人将校役の俳優は戦争で心と足に傷を負って、言葉少ない男、という設定だった。
この米国人俳優(容姿は完璧に気品のある英国人風だったが)が英国アクセントを習得できなかったからそのような演出になったのか、と憶測する。

7位の「ペレ」

ビレ・アウグスト監督の大作。
美しくも厳しい北欧の風景に負けない人間模様が描かれる。
ペレ役の少年が素晴らしい。そして名優マックス・フォン・シドー。
ペレの父親としてはちょいと年齢が高すぎる設定だが。
小作農民を搾取する地主。過酷な労働条件の中でもペレと父親に親切な人たちがいる。
ペレはやがて、小作民を監視する役をおおせつかる。
制服を与えられ、少しは恵まれた状況が約束されるのだが、父は言う。
「ここに居てはいけない。
お前は外の世界に行きなさい」と。撮影中長い時間をかけたのか、ペレがラストでは身長が伸びているのに気がつく。
映画の進行とともに少年が成長する過程が見られる名作である。

8位の「ホテル・ニューハンプシャー」。

ジョン・アービング原作作品では「ガープの世界」「サイダー・ハウス・ルール」の映画の出来栄えもいいが、この作品は当時若かったスターの瑞々しい演技が見られるのがいい。
弟役のロブ・ロウと姉役のジョディ・フォスター。
悪役で2役のマシュー・モディーン。
ドイツに一家が移住した場面で登場するのがナスターシャ・キンスキー。

一家の両親も素敵だし、おじいちゃん、ちょいと存在感の薄い長男、幼い弟と妹。
妹(この少女が見事!)は身体が成長しないが頭脳明晰で後に一家のことを書いた小説で流行作家となる。長女の名前はフラニー。
サリンジャーの「フラニーとゾーイー」を思わせる姉弟の危うい関係。
ジョディは当時、学業優先で映画にはそんなには出ていなかった頃。

9位の「ランブルフイッシュ」。

フランシス・コッポラと言えば「地獄の黙示録」など大作の印象が強く、「アウトサイダー」公開当時は肩透かしを食らった向きも。
その「アウトサイダー」で脇役だったマット・ディロンを主演にした作品。
マットの兄役でミッキー・ローク、父がデニス・ホッパーという凄いキャスティング。モノクロ

画面の中、闘魚であるランブルフイッシュだけがカラー映像になる。
音楽担当はザ・ポリスのスチュワート・コープランド。
ダイアン・レインをマットから奪ってしまう青年役でニコラス・ケイジ。
当時は叔父であるコッポラの七光りでの出演であろうが、その後めきめきと頭角を現す。
マットの役名はラスティ・ジェームス。
かなりジェームス・ディーンを意識した仕草などが見られるが、マットの神経質そうな煙草の吸い方がいい。

ミッキーがハーレイ・ダビッドソンに乗って登場する場面はとにかくカッコいい!
マットが兄貴兄貴と慕う場面が何だか「傷だらけの天使」みたいだ、と日本人なら思うだろう。

10位の「太陽がいっぱい」と「リプリー 」。

これはもう、亡くなられた淀川長治氏に敬意を表して。
というのは、「太陽がいっぱい」の男性2人の関係をホモセクシャルだと看破なさったから。
氏の死後、リメイクで「リプリー 」が公開。
よりホモセクシャルの匂濃厚で、驚いたものだ。

原作のTalented Mr. Ripley を読んだが、「リプリー 」のほうがより原作に近い。

グエニス・パルトロウやジュード・ロウのファッションが素敵で、垢抜けないマット・ディーモンと対照的。
お金持ちの青年たちのさり気なく品の良い服装は、後に友人になりすまそうとするリプリーが付け焼刃では追いつけない生まれたときから長い時間をかけて身についたものだ。
衣装担当者の腕もなかなかである。


好きな映画ベスト10(裏)解説

1位の「マイ・ビューティフル・ランドレッド」。

ダニエル・デイ・ルイスの出世作のひとつで、
ステーブン・フリアーズ監督の初監督?作品でもあった。

2位の「眺めの良い部屋」。

アメリカ人であるジェームス・アイボリー監督がイギリス人であるE・M・フォースターの作品を取り上げた。
同じく「モーリス」「ハワーズ・エンド」と併せて3部作と言えるのだろう。

エドワード朝の英国中流(日本人には上流に見えてしまうが…)階級の令嬢であるルーシー・ハニーチャーチがシャペロン(お目付け役)である従姉妹のシャーロットとイタリアへ旅する。

ホテルの部屋窓から見える景色が美しくないことに怒ったルーシーが、食堂のテーブルでシャーロットと小さな諍いを起こす。
それを聞いていたエマソン父子(ハニーチャーチ家よりも下の階級と見られる)が「我々の部屋と替わりましょう」と申し出る。


当時の新進女優だったヘレナ・ボナム・カーターを見守るかのように、達者な俳優陣が脇を固める。

ダニエル・デイ・ルイス、ジュリアン・サンズ、ルパート・グレイブスも新鮮な魅力をそれぞれ発揮している。


3位の「ピアノ・レッスン」。


カンヌ映画祭でこの作品とチェン・カイコー監督の「さらば我が愛 覇王別姫」がグランプリとパルムドールを分け合っていた。
アカデミー賞でも「シンドラーのリスト」が賞独占するのを主演助演女優賞などで阻んでいた。

授賞式でホリー・ハンターがジェーン・カンピオン監督に壇上から「I love you」を3回繰り返して、監督も投げキッスを返していたのが印象的。


オーディションで有名女優が落とされた(メグ・ライアン?)とも聞く。

監督は長身の女性をヒロインと考えていたということでホリーは当初落とされた。

が、自らピアノを弾く映像を送り、役を勝ち取ったという。


その後「コピー・キャット」でシガーニー・ウイバーと共演し、彼女もアイダ役が噂されていた「長身の女優」であったので感慨深い。


4位の「リトル・ダンサー」。

原題は主人公の名前である「Billy Elliot」。
意外に大ヒットしたそうで、この映画のアメリカ版で女性ボクサーを主人公にした作品も公開された。
英国の70年代頃の炭鉱の街を舞台にした作品。

「Tinsel town in the rain」という曲がある。
雨に煙る炭鉱の町…といったところだろうか、この映画を見ているとその曲を思い出す。

ビリー役の少年は役者としてもダンサーとしても大層才能がある子で、その後どちらの道に進んだのか興味がある。

ボクシングを習っているビリーが同じ場所で同級生たちがバレエを習っている場面に出くわす。女バレエ教師はビリーに強引にトウシューズを渡し、一緒に練習させる。
ビリーの才能に気がついた先生はその後も指導を希望するが、最大の難関はビリーの父親(他の作品で良く見かける達者な俳優)。
「男はボクシングとかフットボール!バレエだなんて!」

Tレックスの曲が多く作品中使用される。
ボウイは大好きだが、マーク・ボランには興味が無かったのでこの映画で初めていいな、と思った。
他にクラッシュやスタイル・カウンシル及びザ・ジャムなどが効果的に使用され、この映画のサントラは私のお気に入りCDである。

5位の 「人生は長く静かな河」フランス映画である。

不倫関係にあった産婦人科医と看護婦。
看護婦は医師の不実さに腹を立て、思わぬ報復行為に出る。
なんと、新生児の赤子を2人、それも男児と女児を入れ替えるのだ。
男児はセレブ家庭の子で女児は貧しい家庭の子。
2組の家族に共通するのは子沢山ということだけ。

このような題材は日本のドラマにもよくあるが、ドロドロした内容でこの映画のようなブラックユーモア的な作り方はしていなかった。

この2人が10歳くらいの頃。
看護婦は医師と2家族に向けて、手紙を出す。かつて自分がしたことを告白する内容。
この時の医師のセリフが「ラザロ、ラザロ…(あばずれ、という意味)」というのがおかしい。彼女をラザロにしてしまったのは自分だというのに。

真実を知った金持ちの親は両方の不幸な?子達を放ってはおけない。
とりあえず、本来の子であるモーリス(貧しい家庭では「モモ」と呼ばれている)を引き取る。本当の子ではない女の子には真実を知らせない。

このモモや他の貧しい(お母さんが太っているというのがいかにも)家庭の子達の逞しいこと!派手な服装や化粧の姉を初め、金持ち家庭の子達とも仲良くなる。
「悪貨は良貨を駆逐する」のことばどおり、上品な子達は下品な子達に染まってしまう。

タイトルの意味。
良家の母が、変わってしまった家庭を嘆く場面で子供の1人が「人生は深く流れる河なのだ」という場面がある。
モモはビートたけしのような顔を傾ける仕草をする。それは実の父親とそっくりなのだ。

脇役の医師(かつての二枚目俳優ダニエル・ジェラン)や看護婦、良家に出入りする神父らも面白い。特に神父の胡散臭さときたら。欧州の映画の中で名門の家といえば、必ずカソリックの神父が出てくるのが面白い。
ご意見番というか。
映画のラスト、神父が子供たちと歌う曲が流れるのがおかしい。




ニックネーム わかたかたかこ at 16:39| Comment(2) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ちゃんと観たのはビデオだけど「戦メリ」だけです。英題は「Merry Christmas, Mr. Lawrence」ですが、フランス語圏では「Furyo」。これはベルギー人の方が言っていたのですが、びっくりです。本当は「Horyo(捕虜)」のことなんだけど、フランス語の発音の関係で「Furyo」になったらしいですね。
あと興味があったのが「ピアノ・レッスン」。マイケル・ナイマンが音楽をやっているということと映画の予告の雰囲気で。

僕が好きなのは歴史作品ですね。最近では「ブーリン家の姉妹」「宮廷画家ゴヤは見た」あたりかな。あとTVの「エリザベス」。いやまだありました。「麦の穂をゆらす風」。これもイギリスとアイルランドの戦争を題材としています。

しかし、なんで同性愛がそんなに映画の題材になるんだろう。大島渚は多いですね。ヴィスコンティの「ベニスに死す」もそうですね。でもこれは、原作のトーマス・マンがいろいろな愛について小説にしているから、その中の一つという感じで。それに同性愛というよりは、芸術家が美しいものを愛する、ということに焦点があてられているようで、同性愛を扱ったとも言いにくいですね。

トーマス・マンは好きです。ちなみにこの小説の主人公は小説家だけどマーラーがモデルと言われていますね。ヴィスコンティは主人公を作曲家に変えて、マーラーの曲を主人公が作曲したことにさえしている。子供を亡くしたことも同じ。
映画「マーラー」でもパロディにされているぐらいですね。yablinskyさん、観たかな?
Posted by クリボー at 2010年08月31日 05:08
コメント、有難うございます。

>なんで同性愛がそんなに映画の題材になるんだろう

特にイギリス映画に多いですね。
ヴィスコンティは山猫、地獄に堕ちた勇者どもが好きかな。
ブログタイトルとしてカンバセーションピーセズも考えました。

若鷹タカ子
Posted by 若鷹タカ子 at 2010年09月01日 15:38